第14回:利他という理想

 バナーラスの友人が逝ったのは、もう3年も前のことだ。若い頃はさぞかし人目を引いたに違いない、美と知を漲らせた顔を老いてもなお輝かせ、困った人がいれば助けようといつでもスタンバイしていたシン女史は、一方でアゴーラー(Agora) と呼ばれるタントリックをグルと仰いで、彼のアドバイスに忠実であろうとし...
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